出産
2018年6月12日
(前回の続き)入院2日目
9時に誘発剤を入れてから10時半頃、
子宮の痛みが規則的になってくる。
5分間隔よりはもう短い気がした。
血圧と体温を定期的に測定されて、どちらもいつもより高くなっていた。
その後詳しい時間は覚えてないけど、
1分おきの陣痛が続き、痛みが強くなってきて、
看護師さんからお腹の張りを計測するモニターをつけられる。
モニターに表示される数値がグラフ上になって紙が出てくるのだが、
数値が高くなってくると子宮が張って痛みが出る、ということらしく、
夫からは数値が30を超えると死にそうな顔になってる、と言われる。
15くらいだとわたしの表情は落ち着いてるらしい。
ある程度、陣痛の規則性がわかってきてた。
その後1時間弱くらい1分おきの陣痛が続くものの、赤ちゃんがお尻に下がってきてる感じはまだしない。
分娩室にお昼ごはんが運ばれてきた。
わたしは気持ちに余裕もないし、起き上がりたくないし、食べたいとは思えなかった。
けれど、夫と母には「食べるタイミング逃すから買ってきたら良いよ」という話をして、夫は病院内のコンビニへと出ていった。
12時10分前ころ、
2発目の誘発剤の処置をすることになった。
その時には「陣痛も結構痛いのにやっぱり2本目を打つのかぁ…」と思った。
気持ちにはもう余裕がなく、ただ先生と看護師さんに自分の身を任せていた。
子宮口は順調に3センチくらいまで開いてきてる、と言われる。
12時過ぎ、2本目の薬が効いたのか、痛みが急に激しくなる。
耐えられない痛みで悶えているなか、腕に点滴を刺され、分娩の準備が慌ただしく始まる。
夫もコンビニから戻ってきたけど、もはや誰かを気にかける余裕すらなかった。
「痛い」と声に出さずにはいられなかった。
12時5分ころ母は外に出て、夫だけが分娩室に残り、手を握ってもらう。
お尻に赤ちゃんがぐっと下がってきた感覚があり、看護師さんに焦ってそのことを伝える。
いよいよなんだ、とは思った。
下着を脱がせてもらい、脚を開いて、痛みもあるし、自分もどうしたら良いかわからなくて、困惑していた。
看護師さんから、息をできるだけ吐いてと言われて、頑張って息をする。
次に痛くなった瞬間、
ずるっとスムーズに流れるように
赤ちゃんが出てきた。
本格的に痛くなってからは、
本当にあっという間だった。
一瞬赤ちゃんを見せてくれて、看護師さんの抱える手の隙間から、みずみずしい足が見えた。
産まれてホッとした気持ちと、
悲しい気持ちが入り混じって感情がよくわからず、
でも涙が出た。
隣にずっといてくれた夫とも目を合わせた。
頷いてくれた。
たぶん頭も撫でてくれてたし、ずっと手を握っていてくれてた。
あっという間の、出産だった。
その後、胎盤が出てきて、
残りの胎盤を掻き出されるのが結構辛かった。
もう自分の身を先生と看護師さんに任せて、頭がぼーっとしていた。