お空にいってしまった、1人目の子の話

29歳結婚1年目で子どもを授かり、システィックヒグローマと診断された子との想い出の記録

出産

2018年6月12日

(前回の続き)入院2日目

 

9時に誘発剤を入れてから10時半頃、

子宮の痛みが規則的になってくる。

5分間隔よりはもう短い気がした。

 

血圧と体温を定期的に測定されて、どちらもいつもより高くなっていた。

 


その後詳しい時間は覚えてないけど、

1分おきの陣痛が続き、痛みが強くなってきて、

看護師さんからお腹の張りを計測するモニターをつけられる。

 

モニターに表示される数値がグラフ上になって紙が出てくるのだが、

数値が高くなってくると子宮が張って痛みが出る、ということらしく、

 

夫からは数値が30を超えると死にそうな顔になってる、と言われる。

15くらいだとわたしの表情は落ち着いてるらしい。

 

ある程度、陣痛の規則性がわかってきてた。


その後1時間弱くらい1分おきの陣痛が続くものの、赤ちゃんがお尻に下がってきてる感じはまだしない。


分娩室にお昼ごはんが運ばれてきた。

 

わたしは気持ちに余裕もないし、起き上がりたくないし、食べたいとは思えなかった。


けれど、夫と母には「食べるタイミング逃すから買ってきたら良いよ」という話をして、夫は病院内のコンビニへと出ていった。


12時10分前ころ、

2発目の誘発剤の処置をすることになった。


その時には「陣痛も結構痛いのにやっぱり2本目を打つのかぁ…」と思った。

 

気持ちにはもう余裕がなく、ただ先生と看護師さんに自分の身を任せていた。

 

子宮口は順調に3センチくらいまで開いてきてる、と言われる。


12時過ぎ、2本目の薬が効いたのか、痛みが急に激しくなる。


耐えられない痛みで悶えているなか、腕に点滴を刺され、分娩の準備が慌ただしく始まる。


夫もコンビニから戻ってきたけど、もはや誰かを気にかける余裕すらなかった。


「痛い」と声に出さずにはいられなかった。

 

12時5分ころ母は外に出て、夫だけが分娩室に残り、手を握ってもらう。


お尻に赤ちゃんがぐっと下がってきた感覚があり、看護師さんに焦ってそのことを伝える。


いよいよなんだ、とは思った。


下着を脱がせてもらい、脚を開いて、痛みもあるし、自分もどうしたら良いかわからなくて、困惑していた。

 

看護師さんから、息をできるだけ吐いてと言われて、頑張って息をする。

 

次に痛くなった瞬間、

ずるっとスムーズに流れるように

赤ちゃんが出てきた。

 

本格的に痛くなってからは、

本当にあっという間だった。

 

一瞬赤ちゃんを見せてくれて、看護師さんの抱える手の隙間から、みずみずしい足が見えた。

 

産まれてホッとした気持ちと、

悲しい気持ちが入り混じって感情がよくわからず、

でも涙が出た。

 

隣にずっといてくれた夫とも目を合わせた。

頷いてくれた。

たぶん頭も撫でてくれてたし、ずっと手を握っていてくれてた。

 


あっという間の、出産だった。

 


その後、胎盤が出てきて、

残りの胎盤を掻き出されるのが結構辛かった。

 

もう自分の身を先生と看護師さんに任せて、頭がぼーっとしていた。