お空にいってしまった、1人目の子の話

29歳結婚1年目で子どもを授かり、システィックヒグローマと診断された子との想い出の記録

死産後の赤ちゃんとの時間

2018年6月12日

(前回の続き)

 

出産後、綺麗になった状態で、柚子華が運ばれてきた。

 

身長21センチ、体重244グラム

 

思ってたよりも頭は大きく感じた。

 

でも身体は弱そうで薄かった。

 

たぶん、首も浮腫んでるせいか、きつそうだった。


皮膚もまだ完全にはできていないから、赤くて、水々しい姿だった。


頭を触ってみたら、冷たかった。


それでも、とてもとても愛おしかった。

 

「よく小さい身体で6ヶ月間頑張ったね」って夫と話しかけた。

大きくさせてあげられなくてごめんね…って。


とても可愛かった。

愛おしくて、ずっと眺めていられた。

 


おくるみをめくって、手と足を見たら、ちゃんと指には爪も生えてて、立派な手足だった。

 

妊婦健診のエコーで、

手を振ってくれたり、よく動かしてた手のひらだなぁと思い返して、

やっと直に触れられたのが嬉しかった。


そのあとはお昼ごはんの果物を一口食べたけど嘔吐してしまい、具合が悪くなった。

 

分娩に際して、嘔吐してしまうことは、よくあるらしかった。

わたしは陣痛中と出産後で2回吐いてしまった。


少し休んで落ち着いて気がつくともう14時過ぎになっており、

両親を待たせすぎてしまったことを思い出し、2人を分娩室に呼んでもらった。

 

母親は赤ちゃんを見た瞬間泣いていた。

もしかしたら父親も泣いていたかもしれない。


長い時間付き添って待っててくれた両親に感謝しなきゃと思ったけど、その時はまだ感謝を伝えるほど気持ちに余裕がなかった。

今思うと申し訳ない気持ちになる。


いったんまた病室の部屋で待っててもらい、しばらくして私も車椅子で部屋へ戻った。

 

赤ちゃんもベビー用のケースの上にのせられた小さい籠の中に入って運ばれてきた。


両親が帰ったあとは夫と3人の穏やかな時間が続いた。

 

看護師さんがとても優しい人で、一緒に赤ちゃんの手形と足形をとるのを、ゆっくり付き合ってくれた。

 

折り紙もたくさん渡してくれて、柚子華の籠の中に入れるためにいくつか折った。

 

部屋では柚子華のことを想いながら、楽しく過ごせた。

 

分娩の時のことを振り返ると、
陣痛中、血圧が普段は100前後なのに150以上まで上がっていたことと、

二度吐いて食事もできず、栄養や水分を取れていなかったことと、

38度くらいにずっと発熱していたことなど、

出産って大変なことなんだな…と改めて感じる。

 

陣痛のときに吐き気に襲われたときには、夫によると瞬間的に顔がまばらに赤くなったらしい。

 

きっと血圧が上がったからだと思うけど、何か危険があったら怖かったなぁとも思った。

 


その日の夜は夫も病室に泊まってくれて、

ゆっくり穏やかに、

柚子華との最初の一日が終わった。