お空にいってしまった、1人目の子の話

29歳結婚1年目で子どもを授かり、システィックヒグローマと診断された子との想い出の記録

システィックヒグローマ〜遺伝カウンセリングの受診〜

2018年3月14日

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遺伝カウンセリングを受診するため、

夫とともに大学病院へ向かう。

 

NTの厚みを指摘された前回の検診では、詳しい話は一切聞けず、

 

ただ自分でネットで調べた情報だけはたくさん頭の中にあった。

 

まず遺伝子科のカウンセラーの先生から

わたしが調べて知っていること、いまの気持ちを聞かれて、話した。

 

そして、まずは詳しく赤ちゃんを診てもらいましょうか、ということで、

産婦人科でエコー検査をすることになった。

 

いつもより長めにエコーで診られたのち、

医師の先生から、

システィックヒグローマの可能性がある、と言われた。

 

システィックヒグローマ?

 

初めて聞いた言葉。。。

 

先生の話から、

わたしの赤ちゃんは、ただの浮腫みではなく、

リンパが溜まって袋状になったものが、首の後ろにいくつか発生している状態で、それをシスティックヒグローマと言う、との説明だった。

何らかの原因で、うまくリンパ液が胎児の身体を循環していない、ということだった。

 

それでも正直わからないことが多いまま、

とりあえずエコーを終えて、遺伝子科のカウンセリング室へ戻る。

 

待っていた遺伝子科の先生から、

資料とともに、システィックヒグローマについての説明を受けた。

 

聞いた話をまとめると、

 

・発症した場合の原因は、染色体の異常が50%

・25%が心臓や骨や臓器等の異常

・25%は正常に出生、ただし心疾患や翼状頸など合併していることも多い

・染色体の異常には、ダウン症のほか、ターナー症候群も発症が多い

・お腹の中で亡くなってしまうこともある

(わたしが記憶から消してるだけかもしれないが、カウンセラーの先生は明確に亡くなる確率については言及しなかった)

ターナー症候群は、女性にのみ発症し、低身長、生理がこないと言った障害が残る、ただし、ホルモン投与の治療も進んでおり、身長は一般に違和感のない程度まで成長したり、妊娠して出産した方もいる

・出生前検査の種類と、それぞれの結果の精度(確定/非確定)について

・中絶するという選択肢もある

 

一通りカウンセラーの先生のはなしを聞いて、

 

お腹の子の異常発症率の高さに、ショックを受けた。

 

無事に生まれてくる確率の方が少ないなんて…。

 

初めて、置かれた状況の重さを知った。

涙も流れた。

 

出生前検査を受けるかどうかの決断は、

 

まずは一度、自分の頭の中を整理してから、夫と2人で相談して決めたいと思い、

 

持ち帰らせてもらうことにした。

 

そのあとは、色々聞いて精神的にも疲れてしまったため、

病院のカフェで一休みすることにした。

 

しばらくは2人とも無言のまま、

 

システィックヒグローマという胎児の病気について、

 

それぞれの携帯で調べていた。

 

システィックヒグローマと診断された子のママのブログも読んだ。

羊水検査を受けた方のブログも読んだ。

 

いろんなクリニックや医師の見解や、症例の発生の確率についての記事もたくさん読んだ。

 

わたしは夫と、お互いが得た情報を共有するようなことはしなかったけど、

 

きっとその時間を通して理解したことは同じだ、と感じていた。

 

出生前検査についてどうするか、という話になると、わたしも夫も考えは一致していて、

 

1番確定精度の高い、羊水検査を受ける、

 

ということだった。

 

羊水検査の結果を聞いた後のことは、

その先ゆっくり考えていこうと思っていた。

夫との会話にもそのときは出なかった。

 

ただ、検査を受けずして、お腹の子を自らの手で諦める、という選択肢はわたしの中で皆無だった。

 

そのことについてだけは、わたしは感情的になって夫に主張していた。

 

もし夫には中絶に関して意見があったんだとしても、その時は聞きたくなかった。

 

 

わたしの中では、

まずは検査を受けること、

陰性であることを祈って赤ちゃんを応援すること、

 

そこからでないと、その先なんて考えられなかった。